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 埼玉県にとって、あるいは県民にとって、「おや?」と思うようなデータが時々あります。その一つに有効求人倍率があります。
 有効求人倍率とは「求職者一人に対して何人の求人があるか」という数字です。この有効求人倍率が高ければ高いほど求職をする人達にとってみればいい話になります。逆に有効求人倍率が低いと仕事を求めている人にとってはつらい環境だということになります。この有効求人倍率が埼玉県はいつも全国で最下位争いをしているという状況があります。なぜかということでありますが、その前に、そもそもこの有効求人倍率というデータを見る時には注意が必要だということを御理解いただきたいと思います。

 それはこの数字があくまでハローワークを通した求人・求職に限られるということです。先日、埼玉労働局長がお見えになったので、ハローワークを通じて就職した人は全体のどのくらいの割合ですかと確認しましたところ、ハローワークが13パーセント、ハローワークのネットが5パーセントで、合計で18パーセントだということでした。つまり埼玉県では82パーセントの方々はハローワーク以外の経路によって就職しているということです。これでは、有効求人倍率の数値が県内の求人・求職の実態を正しく反映しているとは言えません。

 ちなみに埼玉県は広告を通じて職を決める人たちが日本一多いということが、データからはっきりしています。厚生労働省の平成25年の「雇用動向調査」によると、その数は就職者全体の56パーセントで、これは日本一だということです。皆さんもお気づきだと思いますが、駅に入るとホームの片隅あるいは階段の途中、踊り場などに求人用の小冊子があふれるほどあります。また新聞の折り込みにもたくさんの求人情報が入っています。こうした事なども含めて、埼玉県ではハローワークを通じてではなく他の手段を通じて就職する比率が高いので、有効求人倍率の数字がそのまま県内の雇用の実態を表すものではありません。

 実際に、総務省が発表した「平成26年経済センサス-基礎調査」(速報)での従業者数の変化を見ると、平成24年から26年にかけての埼玉県の従業者数は124,485人、率にして5.0パーセント増加しています。全国の増加率が3.9パーセントですので、それを上回っています。

 しかし、そうは言っても、なぜ埼玉県の有効求人倍率が低いのかという疑問が残ると思います。
 その理由としては、ハローワークの求人登録の仕組みの問題があります。東京の本社で埼玉県内の支店分も含めて一括求人すると、その求人数は全て東京都に計上されるため、都内の企業の支店が多い埼玉県の求人数(分子)は実態よりも小さくなり、有効求人倍率が低く出るという仕組みになっています。同じような事情で神奈川県や千葉県の有効求人倍率も高くありません。

 こうした「おや?」と思うような数字が時々出てきます。厚生労働省の方で、有効求人倍率というのはハローワークを通じた求人・求職だけの数字であって、全てを表しているわけではありません、という但し書きを出していただきたいものです。今はそういうのは出ていませんので、埼玉県の経済が悪いように誤解されることがあり残念に思います。何らかの形で是正をしていただきたいと思っています。

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