最近、「人生100年時代」と言われるようになりました。今、日本で生まれた子供の半数以上が100歳を超えて生きるとも言われております。
今の高齢者の人たちはだいたい何歳まで生きられるのだろうと考えてみます。もとより平均寿命は、男性が約81歳、女性が約87歳。男女間の平均をとると84歳ですので、なんとなく84歳までは生きられそうだなと。近い将来には、90歳ぐらいまで生きられるのかなと考える方々が多いと思います。そこで大事なのは、「定年と平均寿命との差」です。

「サザエさん」は現在でも人気番組で大変長い間、茶の間をにぎわせています。約70年前に新聞の4コマ漫画で登場し、約50年前からテレビアニメとして放映されています。
サザエさんのお父さんである磯野波平さんは、54歳の設定です。当時の定年は55歳、男性の平均寿命は63歳でした。したがって、定年後の約8年間、楽隠居をして亡くなるのが当時の平均的な人生だったのです。8年間ですから楽隠居で良かったのかもしれません。
しかし、60歳で定年になって90歳まで生きるかもしれないというこの時代に、30年間も楽隠居で良いのかとなってくるとさすがに長過ぎます。したがって、学び直しの大学や教育機関、技術研修機関などが重要な存在になってくるのではないでしょうか。
長い人生を二毛作で過ごす。これからの新しいテーマではないかと思います。

二毛作と言えば、私は二人の人物を挙げたいと思います。一人目は千葉県出身の、伊能 忠敬(いのう ただたか)です。
彼は養子として酒蔵、醸造会社の責任者となり、その家を繁栄させました。そして49歳で家督を息子に譲り、50歳から55歳までの5年間、江戸で天文学と地理測量学を学んだ後、17年をかけて日本全国を回り、現在の測量技術と比べても見劣りしない日本地図を作り上げました。

二人目は、ケンタッキーフライドチキンの創業者であるカーネル・サンダースです。彼は40もの様々な仕事に就いてきましたが、65歳から経営の第一線から退く74歳までの間に、「フランチャイズ」という世界初のビジネスモデルを開発し、600店を超えるフランチャイズ網を築きました。その後も発展を続け、現在では世界中にケンタッキーフライドチキンのあのおいしい味が溢れています。65歳からの9年間という、当時としてはかなりの高齢ともいわれる年齢で彼は成功しました。

「人生二毛作」の時代にどう生きるか。長寿を楽しみにするのか。苦痛にするのか。心の持ち方次第です。