日本の出生率の低下はここにきて歯止めがかかってきたものの、大きく反転という事態までには至っておりません。
一人の女性が結婚して産む子供の人数は、50年くらい前から2.2人ぐらいであまり変わっていなかったのですが、10年くらい前から少し減って2人ぐらいになっています。
原因の一つには、結婚年齢の上昇に伴い出産年齢が上がっていることがありますが、加えて、50歳時の未婚割合、つまり「生涯未婚率」が急カーブで増えていることに、私は大きな懸念を持っています。

1950年当時は、男女とも50歳時の未婚割合は2パーセント未満でした。ところが1980年になりますと男性が2.60パーセント、女性が4.45パーセントと上昇しました。1990年には男女が逆転し、その後2000年には女性が5.82パーセント、男性が12.57パーセント、2015年には女性が14.06パーセント、男性がなんと女性の約1.5倍の23.37パーセントになっています。

「生涯未婚率」が上昇している要因の一つには経済的な理由があるようです。
非正規雇用者がこの20年ほどで2倍に増えています。非正規雇用者の平均賃金は正規雇用者と比べ半分以下です。そのため、所得の不安から、結婚して家族を構成する自信が持てない、という心理もうかがえます。

様々な課題がありますが、所得の面からも少子化の対策をきちんとやっていかねばならないと思います。