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昨年の暮れも押し迫った頃、都内で行われた勉強会に参加しました。勉強会を主催している政治評論家の方がその日の講師でした。彼は、国内外の様々な話をされましたが、その最後に、アメリカの大統領に選出されたドナルド・トランプ氏について幾つか本を読んだけれども、ワシントンポストの取材班が追いかけた本が一番フィットしたと言って、その内容を彼なりにまとめて話してくれました。

第一の原則として、トランプ氏は「戦うことが大好き」だそうです。リスクが高い決断に尻込みしないそうです。じっとしていることのない「発電機」とも言われているそうです。

このことをよく表す話があります。トランプ氏は、彼の所有するマンションやアパートに黒人やメキシコ人を入居させないということで、人種差別だとアメリカ司法省から提訴されました。すると、トランプ氏は、逆にアメリカ司法省に対し、500億円の損害賠償を求めて訴えたそうです。そうなると、アメリカ司法省は自らが提起した裁判に勝ったとしても、トランプ氏が提起した裁判で一部でも負けが認められると大変です。例えば、自動車事故などで9対1や8対2という判断があるように、賠償額が500億円ですので、1割でも司法省の責任となれば、50億円を負担しなければならないことになります。それを避けるために、結局、司法省は提訴を取り下げたそうです。トランプ氏の作戦勝ちということでしょうか。

第二の原則として、トランプ氏は「何でも取引」だそうです。そして、1対1の交渉なら絶対に負けないと。したがって、多国間交渉のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)などからは撤退ということになるようです。確かに、1対1の交渉に自信があっても相手が3人とか4人とかになってくるとなかなか戦いづらくなってきます。

それから、原則というほどではないので一つには数えませんが、0.5くらいの原則として、トランプ氏は「強い人が好き」だそうです。したがって、長くロシアの最高権力者としての地位を維持しているプーチン大統領が大好きなようです。安倍総理も長期政権ですので、好かれるタイプなのかもしれません。今は中国を嫌っていますが、習近平(しゅうきんぺい)国家主席に会ったりすると、案外、好きになったりするかもしれません。

トランプ氏はこういった主義をお持ちのようですから、政治的なイデオロギーなどありませんし、理念があるようにも思えません。アメリカとの関係がどうなるのか、世界がどうなるのか、とにかく「予測不能」ということだけは明確に予測されます。

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