10月3日(月曜日)、さいたま新都心に500円や100円硬貨、さらには勲章の製造も行う独立行政法人造幣局さいたま支局が開局しました。「造幣さいたま博物館」も合わせてオープンします。東京都の豊島区にあった東京支局が完全移転しました。1万8,782平方メートルの敷地に4階建ての庁舎・工場棟、そして2階建ての造幣さいたま博物館があります。

「造幣さいたま博物館」では、その希少価値から幻の金貨と称されている1932年発行の20円金貨、1964年の東京五輪を記念して造幣局が初めて製造した100円、1000円の記念貨幣、さらには世に出ることはなかった、粘土を焼き固めて作られた「陶貨」など普段見ることのできない歴史的な貨幣が並んでいます。

さて、開局を記念して販売された記念貨幣には、「和同開珎」がデザインされています。708年、武蔵国秩父郡(現在の秩父市黒谷)から自然銅が発見されました。朝廷は年号を「和銅」と改元したほど喜び、「和同開珎」が発行されました。当時は銅の発見が元号を改めるほどの国家的事件と捉えられていたようです。現在のところ、和同開珎は確実に広範囲に流通した日本最古の貨幣であるとされています。また、和同開珎は日本各地だけでなく、海外でも発見されているそうです。地方では富と権力を象徴する宝物として扱われたと言われています。

日本最初の流通貨幣誕生の地、埼玉の新たなシンボルになることを期待しています。貨幣の歴史を知り、貨幣の製造過程を見学できるので、是非とも多くの方に訪れていただきたいと思います。